自立循環型住宅とは

自立循環型住宅とは、気候や敷地特性などの住宅の立地条件および住まい方に応じて極力自然エネルギーを活用した上で、建物と設備機器の設計や選択に注意を払うことによって、居住性や利便性の水準を向上させつつも、居住時のエネルギー消費量(二酸化炭素排出量)を2010 年頃の標準的な住宅と比較して、太陽光発電を含めずに50% にまで削減可能な、太陽光発電を含めるとゼロエネルギー化が可能な現時点において十分実用化できる住宅をいいます。

居住時のエネルギー消費量

自立循環型住宅の設計に有効な要素技術

自立循環型住宅の設計には、効果が実証された15の省エネルギー要素技術が有効です

15の省エネルギー要素技術

次の3つに分類されます。

  • 自然エネルギー活用技術
    自然風や太陽熱、太陽光などの自然エネルギーを化石エネルギーに代えて活用する技術
  • 建物外皮の熱遮断技術
    断熱、日射遮蔽といった建物外皮の建築的措置により、熱の出入りを抑制し、室内環境を適正に保つ技術
  • 省エネルギー設備技術
    エネルギー効率の高い機器やシステムを選択し、投入エネルギーを低減し、かつ快適性を向上させる技術

技術要素一覧

技術要素-削減対象

要素技術の選択方法

立地条件や住まい方などの条件に適した要素技術を選択して適用することが大切です。

住宅の条件

  • 地域の気候特性
  • 敷地の形状や隣接建物との位置関係
  • 住まい手の自然志向の強さ
  • 暑さ寒さに対する許容度

ケース1:都市近郊のゆとりのある敷地の例

自然風や日射熱など自然エネルギーを積極的に取り入れ、熱遮断対策を講じた上で、省エネ設備技術を適時適所で利用して室内環境の調整をはかります。


ケース2:都市内の密集度の高い敷地の例

熱遮断対策を十分に施した上で、省エネ設備技術を優先して活用し室内環境を調整します。建築的な工夫により、自然エネルギーを可能な範囲で利用します。