S邸
設計趣旨
集成材による「木質フレームシステム」の木造3F 建2世帯住宅。外周壁を耐震壁として間取変更の自由度を高め、 長寿命住宅を指向。Q 値1.7W/(㎡・K)、C 値1.1㎝3 / ㎡ (実測値)。24 時間換気設備の新鮮空気を暖めたり冷やしたりしてダクトで送風する方式の暖冷房システム。換気 設備の吸込み口を各室に配置して、空調した空気が各居室に供給される設計。幅5 m高さ6 mの大開口をもつ吹 抜には蓄熱型薪ストーブが趣味の暖房として稼動。基礎 断熱として、冬期、吹抜上部の暖気を循環送風機を用いて、 縦ダクトにより床下に送風し、吹抜下部に吹出している。 (床下は17 ~ 18℃の安定した温度環境)吹抜の窓の外に 設置された電動ブラインドは、日射遮蔽・光量調節等の機能をもち、まちに対して開く・閉じるのメリハリをつける目的をもち、この家の特徴となっている。
基準値・設計値・実績値
採用された要素技術とレベル
採用された要素技術の概要
日射遮蔽手法
手法
手法1:開口部の日射遮蔽手法
・南側の開口部の庇、外付けブラインド
・ガラスはクリプトンガス入り複層ガラス(4+12A+4)
・1階掃出し窓にはハニカムサーモスクリーンを設置
レベル
上記より、「レベル3」となり、冷房エネルギー35%程度削減。
写真1: 外付けブラインドは夏の日射遮蔽、光量調整のほか、年間を通じて夜間、外部からの視線を遮蔽する役割をもつ。
換気設備計画
手法
手法1: ダクト式換気システムの適正化
セントラル全熱交換型換気システムのダクトは直径75㎜のダクトを使用し、全体の圧力損失を軽減。
手法2: 高効率機器の導入
レベル
上記より、「レベル2」となり、換気エネルギー40%程度削減。
写真2:各部屋に空調機が露出しないため、すっきりしたインテリア計画ができる。
断熱外皮計画
手法
平成11年基準を超える断熱性能を確保
基礎断熱:A種フェノールフォーム保温板40㎜
外壁:現場発泡系断熱材80㎜
陸屋根:A種フェノールフォーム保温板80㎜+現場発泡系断熱材50㎜
開口部:クリプトンガス入り複層ガラス木製気密サッシ
レベル
上記より、「レベル4」となり、暖房エネルギー70%程度削減。
建物概要
- 住宅の所在地
- 東京都(6地域)
- 敷地の規模
- 133.62m²
- 住宅の階数
- 地上3階
- 住宅の規模
- 延床面積 199.28m²/親世帯 60.55m² 子世帯 135.13m² 他搭屋
- 住宅構造
- 木造
- 家族構成
- 二世帯 親世帯:夫婦、子世帯:夫婦+子供2人
- 竣工年
- 2010年
- 設計者
- 株式会社 寺尾三上建築事務所
- 施工者