I邸
設計趣旨
大都市には狭小敷地が多く、老朽化が進んでおり、大震災などを考慮するとこれらの早急な建て替えが必要である。一方、都市社会の核家族が進み、小規模で便利な住宅が見直されている。省エネの基本は小さいことである。また、昨今の本物志向、自然志向、健康志向から、木の香漂う健康的な住まいづくりが求められており、当住宅は構造材、内装材すべてに美しい木肌を持つ我が国有数 の金山杉を無垢で用いている。利便性の高い都市での狭小住宅は、現代生活に適合した住まいということができ、当住宅の様な小規模でありな がら質の高い本物の木材を使用した本格的な高機能、高性能、そして真の健康住宅を実現することこそが今求められている。
基準値・設計値・実績値
採用された要素技術とレベル
採用された要素技術の概要
断熱外皮計画
手法
平成11年度省エネルギー基準を満たす断熱性能を確保。
・基礎:発泡ポリカーボネートボード50㎜。
・地階壁・床:吹付硬質ウレタンフォーム20㎜。
・外壁:フェノールフォーム45㎜+グラスウール24k 30㎜。
・屋根:フェノールフォーム60㎜+グラスウール24k 75㎜。
・開口部:木製窓三層ガラス
レベル
上記より、「レベル3」となり、暖房エネルギー45%程度削減。
写真1: 木製窓三層ガラス。
自然風の利用
手法
手法1: 直接的な自然風の取り込み
外周面すべてに開口部を配置して、対面の通風を促し、開口部面積を確保する。
手法4: 温度差換気の利用
2階やロフトに開口部を設け、地階からの吹抜けを通して換気を促す。
手法5: 室内通風性能の向上
室内の建具は全て引き戸とする。
レベル
上記より、手法1,4,5を採用しているため「立地1」では「レベル1」となり、冷房エネルギー10%程度削減。
写真2:前面道路に面して大きく開けられた開口部に囲まれた階段室。光と風の通り道となる。
昼光利用
手法
手法1:直接的な昼光利用手法
LDK、寝室は2面採光、非居室も全て1面採光⇒採光条件3
レベル
上記より、「立地1」では「レベル1」となり、照明エネルギー2~3%程度削減。
写真3:様々な高さに設けられた開口部から、昼光が壁面や屋根に反射し導光効果を高める。
建物概要
- 住宅の所在地
- 東京都(6地域)
- 敷地の規模
- 30.78m²
- 住宅の階数
- 地下1階、地上2階
- 住宅の規模
- 延床面積 58.4m²
- 住宅構造
- 木造
- 家族構成
- 夫婦+子供2人
- 竣工年
- 2010年
- 設計者
-
株式会社マイスタジオ
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阿部建築研究室 (外部ホームページへ移動します。)
株式会社渡辺富工務店 (外部ホームページへ移動します。) - 施工者